ここで寄り道
~🍵🍪少し寄り道~ Vol. 16
プリーツ加工 その2 天然繊維にプリーツを施すには化学処理が必要です。 ・パーマネント・プレス加工(耐久加工):綿、麻、レーヨンなどの生地に樹脂加工をして高温処理した加工方法ですが、風合いは損なわれる可能性があります。 カーテンなどに多く使われているようです。 注意)架橋反応でつなぐ形態安定加工とは違いますのでご注意ください。 ・シロセット加工:CSIRO(豪州連邦科学産業研究機構)で開発された特許技術。主にウール製品が加工対象で、ウールの混紡率が低くなるほど効果も低くなります。 シロセット加工液(パーマ液のようなもの)を生地に染み込ませウールのシスチン結合を切断し、水分を与えた状態で折り目を作り乾燥させます。 ※ウールの分子構造の一部では酸素原子と水素原子間で形成されるような水素結合の状態になっています。水素結合は水中では結合が切断され、乾燥するときに再び水素結合されます。 乾燥した際に水素結合とシスチン結合が同様の形を保持した状態になり、折り目が付きます。 定期的なメンテナンスは必要です。 ・リントラク加工:ザ・ウールマーク・カンパニーが開発した専用樹脂を生地の裏側に塗布する加工です。 毛、絹、綿などの天然繊維や多くの素材に対応できる加工ですが、伸縮性があるものや打ち込みが甘い生地、ポリウレタンがむくむ生地にも樹脂が染み出すため不向きです。 定期的なメンテナンスが必要です。
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プリーツ加工 その1 基本型にはサイドプリーツ(ワンウェイプリーツ)、ボックスプリーツ、アコーディオンプリーツなどがあります。 加工方法には下記がありますが、プリーツ加工には適正な素材があり代表的ものではポリエステルなどの熱可塑性がある素材です。 ・手加工: アイロンで1本ずつヒダ付けとセットを行う方法。 ・ハンドプリーツ: 予め型を付けた2枚の型紙(カルトン)の間に裁断された生地をはさみ、たたみ込んでひだ付けを行いセットボックスで蒸熱を加える方法。 ・マシンプリーツ: 2本の熱ローラーの間にナイフエッジで生地を過剰に送り込みひだを付けながら熱ローラーでセットして巻き取る方法。 ※工業用プリーツ機には、ブレードプリーツ機、ロータリープリーツ機、ボックスプリーツ機、様々な種類があり、独自にカスタマイズされている工場もありますので確認してみてください。 他にもプリーツの種類や形は様々あります。 へぇ~これプリーツなの?!えっ!?と驚くような折り紙のようなものもありますので、加工業者様と相談してみてはいかがでしょうか ≪プリーツ加工 緯編み編≫ ニットでも編地を工夫することでプリーツが表現でき、見せ方も無限大かもしれませんね。 下写真、左右共に、総針ゴム+折山に天竺裏目+総針ゴム+折山に天竺表目でワンウェイプリーツが表現されています。 下写真は、ワイドリブで編まれたボーダーですが、Z撚りの強撚糸を使用することで天竺表目が右側に捻じれ、裏目が左側に捻じれ反発する効果を利用したアコーディオンプリーツが表現されています。
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スプリングホック 小さな副資材のスプリングホック。 時にスプリングホックが意味を成していないことが散見され、改めて触れることとしました。 こんな小さな付属ゆえに付けるのは結構手間がかかります。 リフォーム店などでは釦付けより高い工賃が掛かることが多いです。 取引先からは付け方の指示を受けることが多く、ダメ出しもされる・・。 よくある事例 ファスナーあき止りに、適正なスプリングホック分の指示がないため、スプリングホックが止められない。 ⇒解決方法: スプリングホックのサイズを明確にし、パターンに適正な指示をいれる。 ※敢えてスプリングホックの指示をしない場合もあるので考慮しましょう。 下記は一般的なスプリングホックのサイズになります。 標準的な付け方の例↓↓ ※スプリングホックの大きさ、糸番手により、すくいの回数を調整します。 ★糸番手: #20、#30、#50 ※始めと最後の糸止め(玉止め)は内側に入れ込んで始末をします。
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パイル織りとパイル編み 織りパイル: パイル形状にW型とV型がある。 編みパイル: ループ編みやプラッシュ編みという。 平編みの変形組織編みの一種で編地の表や裏にループを出したもので、地糸とパイル糸を使ってシンカーループの高さを変えたり、めくら針を使ってシンカーループを長くしたりして編む。 ※パイルのループをそのままにするアンカットパイル、カットするカットパイルがある。 シンカーsinker: 糸でループを作るための編機の部品の名称です。 2.7㎜長のパイルをつくれるシンカー(下写真↓↓) ※シンカーパイル丸編み機で編み上げます。 注意)パイルの脱落 摩擦や洗濯、過度な柔軟剤使用などによるパイルの脱落が生じる可能性があります。パイル保持性試験をおこないましょう。
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【ちょっとだけ似ている、インレイと裏毛】 裏毛: 裏パイル。平編みの変化組織です。裏糸に甘撚り糸を添えて何目か飛ばしながら編み、その甘撚り糸を浮かせてパイル状にした編み方。 裏起毛: 裏毛のループを一定の長さにカットしたもの ちなみにですが、裏がタオル地で汗を吸いやすいことからアメリカでSweat(汗)shirtsと呼ばれるようになったらしいです。 インレイ編み: 土台となる編地の編み目の間にインレイ糸を挿入していく技法です(挿入編み)。 インレイ糸は太い意匠糸やゴム糸など土台を構成する地糸とは異なる糸を使用し、裏側に(疑似)パイル糸が見えるのが特徴です。 インレイ糸は編み込んでいないため抜けやすい場合があります。 緯編み機にインレイキャリアを装着すれば織物に近い編地になり、リンクス編みとインレイを組み合わせると経目と緯に渡る糸がくっきりとした畝になります。緯糸を通すことでワンウェイストレッチとなります。 ちなみに、インレイ(inlay)=はめ込む。
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【静電気に注意】 静電気は摩擦や接触によって電子が移動して電荷のバランスが崩れて帯電が起きパチッ、パチパチ(>_<)ときます。 気温や湿度は勿論ですが、繊維が持ち合わせている水分量にも考慮しましょう。特に乾燥しやすい秋冬は空気中の水分量が少なく放電し難くなります。作業環境に左右されるユニフォームや肌の水分量が少なく体内に蓄積されやすい人なども含め配慮が必要です。 静電気が起きにくい繊維はプラスにもマイナスにも帯電しにくい綿、麻、絹などで親水性が高い繊維です。 帯電列が離れている素材同士では静電気が発生しやすくなりますね。 注意)静電気の発生しやすい組み合わせ例 ・ポリエステルのボトムとナイロン製のストッキング ・ナイロンのインナーとアクリルの羽織もの ※毛羽立った素材や薄地で柔らかい生地も接触面積が大きくなり静電気が発生しやすいため、織りや編みにも左右されます。 ※)乾燥時期には表面フラッシュにも気を付けたいですね。 表面フラッシュ: 衣類の表面に細かい毛羽がある場合などに発生しやすく、一瞬で衣服全体に炎が広がり、炎は薄く透明に近く明るい場所では燃えていることに気がつきにくいそうです。
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【シルキー加工の色々】 シルキー加工とは絹の様な光沢感を与える加工の総称です。 シルケット加工: マーセライズ(Mercerised Cotton)加工とも呼ばれます。 綿素材に用いる代表的なシルキー加工で、綿糸・綿布でも加工できるのが特徴です。 繊維が収縮しないように引っ張りながら苛性ソーダに浸して処理することで綿の断面が整います。 生地の場合は薬剤を塗布し、ローラーで磨きながら高温で仕上げ毛羽立ちを抑え滑らかにします。染色性の向上が期待できます。 注意)編地もよりますが細番手に加工するとファスナー現象(綿では殆ど起きない静電気)が起こるので気を付けてください。 シュライナー加工:主に綿布に対して用いられる加工。 細かい斜線を刻んだ高熱ローラーに加圧しながら生地を通し光沢感を出します。 ドイツのシュライナーが発明しその名があります。効果を永続させる場合は樹脂に前加工を施す必要があります。 減量加工:ポリエステルなどの合成繊維フィラメントに用いる、絹の精錬原理を利用した加工方法。 苛性ソーダで繊維表面を5~20%ほど溶かして減量させ(エステル結合が加水分解されます)、繊維と繊維の間の隙間を大きくします。そうすることで光沢感としなやかなドレープ性のある生地になります。 注意)編み・織り組織によって減量率を変える必要があります。強度や物性面のバランスをとり、加工方法にも様々あります。
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【表面を平準にする加工】 カレンダー加工: カレンダー(calender)機を用いた加工で、ローラーで生地に熱と圧力を加えて表面を平準にし、光沢が期待できます。Calendar(暦)とはスペルが違うので注意しましょう。 チンツ加工: 生地の表面に糊やロウを塗って専用機で熱と圧力をかけてツルッとした仕上がりにする加工。ツヤとハリ感がでるが、光沢は洗濯を繰り返すと落ちる可能性があり取り扱い表示には要注意です。 シレー加工: 生地の裏面に熱による圧力で加工を施し、表地の気密性(繊維の隙間を小さく)を高め表面が蝋のような独特のコーティングになっている光沢ある加工方法。 ※長繊維織物の生地ではシレー加工(ワックス(蝋)フランス語))と呼ばれ、綿を中心とした短繊維織物ではチンツ加工と呼ばれることが多いようです。 どれも完全な防水にはならず、定期的に撥水加工などを施す必要があります。 ちなみに、シワ加工+チンツ加工、カレンダー加工+シワ加工なども可能。 補足) 温度を加えない冷カレンダー加工でチョークマーク不良に対応できる場合があります。
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【工業用パターンの重要性】 このコラムの筆者は元パタンナーです。パタンナー目線で本日はお話しさせていただきますね。 既に展示会サンプルのコメントをご覧になられている方は赤字のコメントがあることに気が付かれていると思います。 例)↓↓赤文字 展示会サンプルを確認する上で当社のパターン(外注)を見ることが多くありましたが、工業用パターンになっていないパターンが散見されました。 これが何を意味するのか、縫製に支障を及ぼし、製品上りの不具合となります。 信用問題につながりますが当社ではそのチェック機構がありません。 デザインと素材が原因なのか、パターンが原因なのか、縫製が原因なのかも突き止められず、曖昧のままやり過ごしているのが現状です。 工賃が安価な工場であればあるほど、正確な工業用パターンを必要とします。 外人と日本人とでは完成度の感覚には差異があり、工場設備も不十分であれば尚更です。不完全なまま工場に押し付けても無いものねだりでしかありません。 工業用パターンを工場に依頼されている方を散見しますが、知らないが上の恐ろしい勇気ですね。 日本人の繊細なモノづくりが崩壊すれば、それに勝る何か?がなければ、いずれ淘汰されてしまうのではないでしょうか。 デザイン・パターンの完成度が低ければ、さらに仕上がった商品レベルも低い。負のスパイラルでしかありません。 製品にもPDCAが必要です。 モノの良し悪しを見極められる人材になって欲しいです。 OEMであっても客先が何を望んでいるのかをいち早く理解することが先に進むには重要で、常に先回りをして準備をしなければ取引先と対峙することはできません。専門知識だけあっても事足りません。経験や培われた感性がものをいう場面です。 残念ながら今のAIは答えてくれません。 商社ではこの工程の重要性を理解して頂けていないのが残念でなりません。 アパレルでの3DCADは何十年も発展途上の理由はここにもあるのではないかとも思われますね。 今後、会社がどういう方向性に向かうのかは皆さんが変えてゆくでしょう。アパレル業界は川上~川下まで細分化された専門性が広い分野です。取引先から、「えっ!」そこ聞かれても分からない・・となりがちです。 客先に納得して頂く商品を提供するには、成果となる数値も重要ですが、服作りには何が必要なのかちょっと考えて頂けたら幸いです。 これからの皆さんの活躍が楽しみです。
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